2019年6月9日日曜日

0609;シャープ書院明朝の不思議。


前に平成ゴシックの記事で「書院ゴシック体」は他の平成ゴシックに比べて、漢字の大きさが105%であると書きました。

で、今回は明朝の話です。書院中明朝体は、ベースがモトヤ中明朝です。ですが、これまた漢字と仮名の大きさに違和感があるのです。見慣れたバランスではないのです。気になったので、重ね合わせて比べてみると、こんな感じ。現在のフォントのモトヤ中明朝は漢字も仮名も小さくリデザインされているので、比較する対象の資料としては、当時の機械の印刷物で同じ書体のものを。

するとほら、やっぱり小さい。書院ゴシックは漢字を大きくしていましたが、書院明朝は平仮名を小さくしています。自分が感じた違和感の通り。だけど、意外だったのは「カタカナの大きさを変えていない」。平仮名の大きさのみをいじっている。

IPSで打たれた紙と、書院で打った紙を一目パッと見ただけでも「あ、書院は小さい」と感じます。透かして重ね合わせる必要が無いぐらいに分かります。

漢字を大きく、仮名を小さくすることによって、漢字と仮名が区別しやすくなり、読みやすくなるのかな? 通常の大きさとは別の「小がなフォント」を用意している明朝体フォントは普通にありますから。このバランスを、個人的に「書院バランス」と呼ぶことに。なので、この違和感を感じたら「あ、書院で打ったな」となるのです。 書院の設計者の趣味なのか、あるいはパッと見に書院の印字を分かりやすくするためか。フォントの不思議。

でも、写研の見本帳のモトヤ中明朝と重ね合わせると、書院中明朝体と漢字も平仮名も片仮名も大きさが合っているような気も…(~~; うーむ。

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余談ですが、「漢字の大きさを105%にしている」フォントとしては、フォントワークスのニューロダンもそうです。旧ロダンに比べて、ニューロダンの漢字は105%の大きさです。

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