2015年5月14日木曜日

0340_三原色から、色使いを考えてみる。

絵の具ですと、だいたい12色は三原色(イエロー・マゼンタ・シアン)+朱色(バーミリオン)、黄緑、青緑(ビリジャン)、黄土色、茶色、黒、白という感じで入っています。学童用のマット水彩なんかでも、色名は違えど、こういった考え方の色が入っているかと思います。純色よりはやや彩度を落としているかも知れませんが。



三原色があると、色を広範囲にカバーできます。他の色を掛け合わせて作れない色ですので、非常に重要です。我々日本人が普段見慣れている黄色はちょっと赤みを帯びています。三原色の黄色は、赤みも青みも帯びていない純粋な原色の黄色です。レモンイエローなどと呼ばれることも多い色です。

イエローとマゼンタを1:1で混ぜ合わせることで、赤ができます。なら、なぜ絵の具の12色セットに赤ではなくて朱が入っているの? となると、「赤より朱の方が色を作りやすいから」なのですね。絵の具の場合、基本は色を混ぜ合わせて使います。あんまり絵の具の色まんまでは塗りません。そうすると、「赤」は絵の具を混ぜ合わせることによって簡単に作れる色なんですね。朱+ちょっとマゼンタです。で、せっかく色を作れる画材なので、色々な赤を表現したいわけです。カーマインな赤、クリムゾンな赤、スカーレットな赤…と、赤にもいろいろあります。つまり「赤という色を限定せず、表現力豊かな、いろんな赤を作ってね」ということですよね。同様に、緑もそうです。だから緑そのものではなく、黄緑と青緑があえて入っているということですよね。イエロー+シアンや青、青緑で簡単に色々な緑は作れますから。



三原色でたいていの色をカバーできるとはいえ、作りにくい色もあります。アースカラー系(茶色・黄土色)や黒がそうですよね。こういうのは、混色のベースとしてはじめからあったほうが便利です。でも、気合でやろうとしたら、黒を三原色で作れなくはありません。絵の具の黒を使うといっぺんに色がくすんだり汚くなったりするので、あえて黒を使わずに混色で黒を作り出すということを考えることも多いです。


色鉛筆の場合でも、まずはイエロー・マゼンタ・シアンの三原色が欲しいです。カランダッシュのものだと、キチンと公式に三原色が用意されています。カランは色を色彩学的に用意しているので、ちょっと他の色鉛筆とは独特ですが、原色系が豊富なので、色設計はしやすいです。



専門画材の場合、たいていは三原色系統の色は用意されています。これはステッドラーのカラト水彩色鉛筆ですが、癖のない色で色名も分かりやすく、「マゼンタ」「シアン」「レッド」など、三原色や純色そのままの色名です。これまた、色設計がしやすいでしょう。



でも、日本の学童用の色鉛筆ではこういった考えで色が決められていません。ちょっとくすんだ色をしています。色をくすませることで、絵のまとまりは良くなり、落ち着いた塗りあがりになります。しかし、鮮やかな色の範囲を捨てているため、欲しい色を表現できないというところも出てきます。混色・重ね塗りによって彩度を落とすことはできますが、彩度を上げることはできません。

デジタルでお絵描きをすると、色環で色を選びますが、色環の外側が純色(一番彩度の高い色)です。でも、こういった色を駆使すると「鮮やか過ぎる」ということになりますから、純色は必要ですが、普段見る光景は純色ばかりではないですから、上手に彩度を落としつつ色を塗ることを考える必要が出てきます。色鉛筆だと、彩度を落とした中間色が用意されていますから、そういった色を使うことで様々な表現が簡単にできます。そこから他の色を重ねて塗ることで、深みのある色表現を…ということになります。

でも、たくさんの色数を持っているのなら、豊富な色数でもって色設計できちゃいますから、ぶっちゃけベタ塗りでもいいですよね。「うーん、もうちょっとこんな感じの色に…」と思った時に、重ねて塗っていけばいいですよね。塗り方なんて、好き好きに。気の赴くままに塗るもよし、技法を駆使するもよし。色って、考え出すと面白いですよね。



 

コピックやフェリシモだと、こうかな?(・・?


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